血液をサラサラにして、うつ病やガン・アレルギーの予防する食品素材「DHA・EPA」

血液をサラサラにして、うつ病やガン・アレルギーの予防する食品素材「DHA・EPA」

1.DHA・EPAとは?

DHA(ドコサヘキサエン酸)と、EPA(エイコサペンタエン酸)は、北海道の名産であるサンマやサバ、イワシをはじめ、マグロ、カツオなどの青背魚の脂肪(油)に多く含まれているオメガ-3系の多価不飽和脂肪酸で、α-リノレン酸等の総称のことです。

牛や豚などの獣肉の脂は常温で固まりやすい飽和脂肪酸ですが、魚肉の油は常温では固まらない不飽和脂肪酸です。 特に水温の低い北の海に住む魚では、体内の油がかたまってしまったら、生命が危ないためです。マイナス45度まで固まらずに体液を保つ特徴を持つ、固まりにくい不飽和脂肪酸を体内に蓄えることで、血液の流動性を高めながら、自分の体を守っています。

このことを疫学的に結果報告したのは、1975年頃、デンマークのダイアベル博士らのグループでした。

2.魚肉の油が血栓をつくらせない

魚肉の油の健康効果が脚光を浴びるようになったのはグリ-ンランド北西岸の、イヌイット(エスキモー)集落での疫学調査以降です。

極北に住んでいるイヌイットの人々は、魚やオットセイ、アザラシなどの動物性の食品を主食としているのに、やはり肉食中心の欧米人に比べて、動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞などの虚血性疾患にかかるリスクが低いことが明らかになったのです。

この医学的な調査は10年間続けられ、白人(欧米人)とイヌイットの血液中の脂質に大きな違いがあることが判明しました。牛や豚の肉、野菜を常食し、あまり魚を食べない欧米人の血液中には、アラキドン酸という脂肪酸が多いのに対して、魚、クジラ、アザラシなど海の植物を常食する、イヌイットの血液中には、アラキドン酸よりも、DHAやEPAが多く含まれていたのです。

ダイアベル博士らは「魚の油に多く含まれるDHAやEPAが、血栓を出来にくくして、動脈硬化を防ぐ」と報告したのです。そして、世界の研究者も追試を行なって、魚油に含まれている油にあると結論づけました。

3.脳機能維持と向上に役立つDHA

DHAは、特に目の網膜や脳の灰白質に多く含まれ、青背魚では目玉の油に含まれています。血液をサラサラにする作用では、EPAと同様ですが、DHAには老人性認知症の予防、視力改善に効果があります。動物実験においても、学習効果(記憶力や学習能力の向上)など、DHAが脳神経のシナプス部分で神経伝達に重要なかかわりを持ち、脳機能維持や向上に役立つことが明らかになっています。

血栓をつくらせない(抗血栓)作用では、EPAが勝り、総コレステロール値や中性脂肪を下げる働きでは、DHAが勝ると言われていますが、DHAとEPAを共に含む魚を摂る習慣が現代病を予防してくれると思います。

「DHAシンポジウム」でイギリスの脳栄養科学研究所のマイケル・クロフォード教授は「日本人の子どもが欧米人の子どもと比べて知能指数が高いのは、日本人が昔から魚をたくさん食べてきたことが理由だ」と発表しました。そして、ギネスブックによれば、国民平均で世界最高の知能指数は日本人の115です。

4.血液をサラサラにする、EPA

魚肉の油に含まれているEPAには、血栓をつくらせない成分が多く含まれていて、血液をサラサラにして血流をよくします。不飽和脂肪酸の仲間には、植物性のリノール酸やオレイン酸がありますが、血栓を防ぐ効果はEPAの方がはるかに高いことがわかっています。

EPAには大きく分けて三つの効能があります。
①血栓が固まるのを防ぐ作用があって、血栓が血管に詰まる脳梗塞、陰金拘束を予防する働き。
②悪玉コレステロール(LDL)値を下げて、善玉コレステロール(HDL)値を上げる作用があって、血管の動脈硬化を予防する働き。
③中性脂肪を下げる働きがあって、脂質異常症(高血圧症)、脂肪肝を予防する働き。
このように病気を予防したり、治療をする上でも最も大切なことは、血液の循環をよくすることです。

特に抹消に存在している毛細血管にまで血液がサラサラとながれなければ健康は維持できません。そのために日頃から、血液をサラサラにする、DHA・EPAを摂ることは大切なことです。

5.DHA・EPAは、うつ病を予防

うつ病患者がこの10年間で約2.4倍に激増し、日本人の7人に1人、アメリカでは全成人の11.5%の人が苦しんでいるというデータがあります。不況や人間関係などの影響もありますが、複雑な社会環境の中で今後ますます増加が予測されています。

魚を摂ると心が落ち着く、食物に含まれている脂肪の種類が精神面の健康、特にうつ病の改善に役立つという研究報告が国内外(アメリカ、イギリス、日本など)で積み重ねられてきました。特に注目されているのは、サバやイワシなど青背魚に多い「オメガ-3系脂肪酸」のDHAやEPAなどの、多価不飽和脂肪酸です。

なぜうつ病をはじめとする精神面に影響するのでしょうか。それは、脂肪酸は細胞膜の材料になるからでオメガ-6系、オメガ-3系は体内で合成されないので、食べた脂肪によって細胞膜のオメガ-6系とオメガ-3系の比率が変わってしまうのです。脳波細胞膜が特に多く、セロトニンなど、神経伝達物質の出方に影響するからです。

6.認知症患者は、オメガ-3系の脂肪酸不足

今、「脳」ブームといわれています。
これからは、脳の老化による機能障害が、老年期認知症として始まり、増加することが確実です。老年期認知症といえば、血管性認知症とアルツハイマー型老年認知症です。この二つで80%以上を占めています。

日本の認知症のお年寄りの性別的割合をみると、男性は脳血管性認知症が圧倒的に多く、女性はアルツハイマー型認知症が脳血管性認知症をかなり上回っています。東北大学の研究では「認知症のお年寄りではオメガ-3系脂肪酸(DHA・EPA・α-リノレン酸)が健康なお年寄りに比べて不足している」と報告しています。

アメリカで認知症患者899人を9年間観察した結果、血液中のDHAが多い人の方が認知症を発症しにくいという報告があります。また、イタリアにおいても同様の結果報告がなされています。したがって、認知症の予防にDHAやEPA(オメガ-3系脂肪酸)を多く含む青背魚を日頃から積極的に摂取すべきです。

7.E・キャメロン医師のガンの臨床

アメリカのライナ・ポーリング化学医学研究所のガン栄養予防プロジェクト主任の、E・キャメロン医師は、遺伝的にガンになりやすいマウスを使って、同じ二重盲検試験を行っています。その結果、オメガ-3系脂肪酸とオメガ-6系脂肪酸を同時に与えたマウスはほとんどガンにかからなかったのです。

一方、精製された油で、トランス脂肪酸のエサを与えられたマウスでは、ガンが促進されてました。このことは、私たちの食事において、オメガ-3とオメガ-6の二つの脂肪のバランスが大切だということと、ガンの予防や治療には精製されていない油を使用しなければならないということが、E・キャメロン医師の臨床でも明らかになったのです。

オメガ-3も、オメガ-6も必須脂肪酸として不可欠なのですが、あえて比較するとオメガ-3の方がより重要といえます。オメガ-6は今の食生活では不足する状態ではありませんが、オメガ-3は不足している状態です。もし、魚が苦手なら、DHA・EPAをサプリメントで摂ることもよいと思います。

8.アレルギーを改善する

厚生労働省が1984年に発表した、アレルギー患者、とりわけアトピー性皮膚炎の患者は約15万人余りでしたが、その後は恐るべき勢いで増加の一途をたどっています。また、スギ花粉などが原因のアレルギー性鼻炎患者も全国で数千万人と驚くべき数字です。さらに学童においては、アレルギー性喘息も増え続けています。

アレルギーを抑える薬としては、ステロイド(副腎皮質ホルモン)や抗アレルギー剤などがあります。しかしこれらの薬は一時的には効果がでますが、根本からの解決にはならず、副作用の点で問題になっています。アトピー性皮膚炎や花粉症、鼻炎がいっこうに改善しない人や口内炎・吹き出物が出来やすい人は、体内でリノール酸が過剰になっており、慢性的な高炎症状態にあると考えられます。そこで、リノール酸の摂取量を極力抑えて、それと正反対の働きをするオメガ-3系の脂肪酸であるところの、DHAやEPAを摂取することです。

9.オメガ-3系脂肪酸不足が病気の原因

オメガ-3系脂肪酸は、不飽和脂肪酸の一つで、人体内では合成や蓄積は出来ません。必ず食事から摂取しなければならない必須脂肪酸です。

病気を引き起こす要因はたくさんあります。遺伝的な原因、食物繊維の摂取不足、運動不足、ストレスの増大、ビタミンやミネラルの欠乏、抗酸化物質の摂取不足、過剰な食品添加物の摂取、農薬や環境の汚染などがあげられます。

その中でもオメガ-3系の脂肪酸不足が特に大きな要因とされていて、食生活の中にもともとオメガ-3系脂肪酸が不足していたために病気を引き起こしていることが明らかになってきました。

ドナルド・ラディン博士は「先進国で起こっている現代病の大きな原因は、DHAやEPAなどに含まれているオメガ-3系脂肪酸の摂取が極度に不足しているからである」と結論づけています。

東京築地市場の調査では、国民一人が一年間に食べる魚介類の消費量は減る一方だと報告しています。このように、魚離れも影響していると考えられます。

10.DHA・EPAの効能

DAH・EPAの効能について、イギリス・脳栄養科学研究所のクロフォード教授、デンマークのダイアベル博士など多くの学者が報告をしています。それを具体的にのべておきます。

①ガン
②動脈硬化
③心筋梗塞
④脳梗塞
⑤血栓症
⑥高血圧
⑦中性脂肪
⑧コレステロール
⑨うつ病
⑩認知症
⑪老化
⑫肥満
⑬肝炎
⑭糖尿病
⑮アレルギー
⑯花粉症
⑰不妊
⑱前立腺肥大
⑲リウマチ
⑳関節炎
㉑肩こり
㉒腰痛
㉓血液サラサラ
㉔免疫力 他

11.肥満の解消に、オメガ-3系脂肪酸

今、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)がもたらす危険が叫ばれています。脂肪を摂ることは、ダイエットに役立つといえば驚くかもしれませんが、むしろ現代社会の肥満者は正しい種類の良い脂肪に無知であったのです。

DHA・EPAはオメガ-3系の脂肪酸で、上手に摂ることによって、体内の悪い脂肪を溶かし、それを排出させるという溶解剤の役目を果たしてくれますので、ダイエットにはとても役立つ脂肪酸なのです。

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